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第24回:『「コンサルに聞く!」シリーズ:天然海老が美味しい宿「海美ロッジ」(仮称)の場合』

 

皆様こんにちは。

弊社コンサルタントは、宿泊業界で務めた経験を活かし、全国津々浦々、様々なタイプのクライアント様をサポートさせていただいておりますが、その中で、皆様にお伝えしたい実例や、成功体験、中には失敗談なども、日々、聞こえて参ります。

いま伝えなきゃ、もったいない…そんな数ある事例のうち、今回は、大手シティホテルからコンドミニアムタイプのマネージメントまで豊富な経歴を持つ「コンサルタント:徳川」が担当する、天然海老が美味しい宿<海美ロッジ>様のケースをご紹介したいと思います。

 

海美ロッジ様のスペックを簡単にご紹介しますと…

夏は海水浴、一年を通して釣り客が訪れる、とある港町。

地元で生まれ育ったご夫婦と、先代の頃から勤めている支配人、アルバイトスタッフたちで営む、地上3階建ての全8室。

天然温泉の内湯大浴場が男女別に2か所。

客室は、6~15畳の和室と、先代の頃に改装したツインベッドの洋室。

先代、先々代から受け継いだ施設の老朽化は否めず、隅々まで清掃は行き届いているものの、大規模な改装どころか、経年劣化の修繕もなかなか追いつかないのが悩みのひとつ。

 

実は、クチコミ評価が総合4点台と高く、中でも夕食は、楽天でもじゃらんでも4点台後半(過去数年4.5~4.8)をキープし続けている、隠れた料理自慢宿である。

周辺には、同規模か、やや大箱な料理旅館等が点在。

客層は、概ね海の幸を求める個人客だが、先代からの付き合いで、大手旅行代理店からの学生団体等も受け入れている。

 

弊社とは、3年近いお付き合いをいただいておりますが、コンサルタント:徳川が担当するようになったのはここ1年半ほど。前任者の頃に、

[Check No2] サイトコントローラーを導入し在庫の一元管理ができているかといったOTA販売の基礎固め

[Check No44] プランバリエーションは揃っているか

(ターゲット別プラン、目的別プラン、価格訴求プラン、サイト限定プラン、季節限定プランなど)に沿って、

素泊まりか、料理単価別の2食付プランのみだったものを、

「朝付」や「早割」、「海水浴」「釣り」「サイクリング」等々にターゲットを絞った各種プランを追加する

と同時に、画像、プラン名、本文等の手直しも行ってきました。

 

徳川が引き継いでからは、更に、

・プラン名やキャッチコピーに「夕食評価4.9の宿」を明記

・売れ行きの良し悪しを検証してプランのラインナップを絞り込み、予約のしやすさを図る、など

「NBSチェックリスト200」をベースに、海美ロッジ様に合わせたブラッシュアップを重ねてきた結果、昨夏には、新型コロナ流行前の2019年同月比3.23倍の売上増に。楽天の転換率も、0.5%を割るほどだったものが、昨夏(6~8月)には1.23~1.48%と約3倍に改善しました。

 

「もうひとつ、より力を入れた改善点があるんですよ」とコンサル徳川。

それは、この宿の評点を押し上げている「食」に関することでした。

 

例えば夕食。単に「魚介の焼き物」「魚介の天ぷら」と表記されていた中には、この地域でしか食べられないと言っても過言でない、天然の海老が含まれていました。形にばらつきがあったり、数がそう多く揚がるものではないため、地元ではポピュラーだけど市場には出回らない。もちろん鮮度は抜群だし、冷凍もの等とは桁違いに美味しい。そんなお宝食材がこっそりと隠れていました。ちなみに、このお宝食材を含め、一般的な成人男性の徳川が「これ全部、食べきれるのか…」と思うほど、ボリュームも満点だったりします。

 

加えて朝食。ごはんに味噌汁、干物に煮物が一品、卵、海苔とか漬物とか。ぱっと見、ごく普通の宿の朝ごはん。しかし、米はもちろん県内産。味噌汁の豆腐やお揚げさんは、もう何十年も地元で営業している手作り豆腐店から。干物が地物であるのはもちろん、海苔も、目の前の海で養殖、すぐ近くの工場で加工されている、味噌は女将さんの手作りと、宿の食に対するこだわりがぎっしり詰まっていたのです。

 

こういったたくさんの宿の「魅力=ウリ」を、文字や画像でOTA画面に掲載するとともに、夕朝食時にお客様に見ていただく「おしながき」に一言うんちくを書き添えて、カスタマーに「伝える」ことを強化しました。

 

結果、「天然海老(お宝食材)を食べるためにきました」「クチコミ通りの大満足」「写真に偽りなし、それ以上」など、食に言及するより具体的な、嬉しい投稿が見られるように

 

と、より好循環を始めた海美ロッジ様ですが、もうひとつ、できるだけ早く解決したい、大きな課題があります。

長年勤めあげた支配人が、今期をもって退職されるのですが、海美ロッジ様のご主人は、当面、後任を採用しないというのです。

確かに人件費は経費の中でも大きな部分ですし、今後、より人手不足が深刻に、人材の確保は難しくなっていくだろうという予測の下、できるだけマンパワーに頼らない営業スタイルを目指そう、というなら良いのですが、「人を入れない」最大の理由は、食材や光熱費もろもろ全般の高騰、シンプルにコストの圧迫なのです。

 

それならば、価格を上げなければいけませんよね。周辺の競合他社だって値上げしています。

実は、昨年一度、一律に販売価格を上乗せしているんです。

「全国旅行支援」のおかげで、コスト増分を価格転嫁してもむしろ客足は増えたのですが、今夏から、休前日を中心にもう一段階、数百円単位で価格を改定したところ、秋以降の先行予約がぱったりと途絶えてしまいました。

徳川は、ご主人から依頼を受け、一旦売価を元に戻して策を練り直すことにしました。

 

海美ロッジ様は、オペレーションの簡略化の一環として、キャッシュレス決済を促進したい、と思っておられる。

マンパワー不足は、現状、ハイシーズンのみの課題である。

クチコミをじっくり見ていると、ゲストによっては、「夕食が食べきれず残してしまって申し訳ない」との声がある。

そういういくつかのピースをヒントに、徳川は次の一手を打ち出すことにしました。

その詳細と結果は、また次の機会に。

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