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第6回『弊社コンサルに聞く:ES、教育、実は・・・な実話』

皆様こんにちは。しばしば愛犬のお散歩に行くいくつかの公園は、休校以来、子連れファミリーの姿がグンと増え、平休日を問わず賑わっておりますが、屋内型施設や宿泊施設では、依然シビアな状況が続いておられることを思うと、改めて胸が痛くなります。夜明けまでのこのアイドリング期間、ほんのお目汚しとして本blogをお楽しみいただけましたら幸いです。

前回に引き続き織田&北条インタビューの一旦最終編です

 

-前回の続きで、「リピート率6割」を誇る某シティホテルでの、ES(従業員満足度)や部下の指導にまつわる支配人としての経験、実例を教えてもらえますか?

 

例えば、月に一度は必ず、全スタッフに土日に休日がまわるようシフトを組んでいました。

そのうえで、入れ替え等の希望があれば、自分たちで話し合いをさせるんです。年末年始は(みっちり稼ぎたいという出勤希望者を除いて)くじ引きします。

支配人や主任も含めて、みんなでくじ引き。入れ替え希望はみんなで相談。

 

-そこは上下の別なく公平、公正に(笑)。サービス業で週末や連休のお休みって主張しにくいですから有難いシステムですね。

 

結果的に、支配人や主任の休みは「頭としっぽ」になるんですけど(笑)。

あと、あえて土曜日に自分が休みを取って、主任に現場の指揮をさせる。もちろん電話は必ずつながるようにしていましたが。

一般のスタッフの中には反感を持つ者もいたかもしれませんが、この趣旨は主任本人が理解できていればいいことですから気にしません(笑)。

 

-部下に任せることで、ミスの発生やそのリカバリーに対する躊躇だったり、あるいは不在時のクレーム対応に不安はありませんでしたか?

 

ミスは不可抗力で起こることもありますし、まずどうリカバーするのか、そしてミスを再発させないためにどう指導するのかが大切で、自分の、アルバイトから宿泊業界に入って…という経験からくるものですが、ただ感情的に“怒る”だけでは何も進展しません。ミスの原因をミスした本人が理解できるように、再発しないように“叱る”んです。

 

-近年は、パワハラ、モラハラ等と、叱り方も難しくなりました。講師を招いて講習会を行ったという事例も聞いてます。

 

自分は口の悪い方だと自覚していましたが(笑)、当時、パワハラうんぬんとは無縁でした。部下を「お前」と呼ぶことも多々ありましたけど、部下曰く「支配人の口の悪さは承知している」そうで。

あと、僕だってミスすることはあるし、ミスをしたら謝るし、フォローしてました。部下が上司のミスをちゃんと指摘してくれる環境って大事なことかもしれませんね。

 

-要は信頼関係ということですね。

 

クレームには、一般スタッフにも彼らのできる範囲で対応させていました。

どういう対応をして、結果アップグレードしたのか返金したのか、謝罪してご容赦いただけたのか。

もちろん対応しきれない場合は引き取りますが、事後報告でも、対応した本人がきちんと自分で考えて、正当な理由でそう判断し、その経緯を説明できることなら、頭ごなしに否定することはなかったですね。

コンサルの立場で言うと、返金等の“コスト”に対する権限がどこまで許されているのかによって、同じことができるわけではない。

経営側が、こういったコストを人材育成の費用と見て、現場の裁量の範囲を広げてくれていると良いのですが。

「NBSチェックリスト200」の「経費コスト削減」のうち、「人件費」に関する項目が22もありますが、労働への対価や教育に必要なコストに加えて

[Check No22] 求人掲載時は有料媒体の他にハローワークにも同時掲載しているかといった項目を上げているように、採用に掛かるコストも馬鹿にならない。

ESとスタッフ教育は切り離せないもので、これらを引き上げることが、結果、離職率を引き下げることにつながる。

 

-離職率の低さは、長い目で見れば一番のコスト削減になるわけですね。

 

あと、部下に振れる仕事まで抱え込んでしまう支配人の方は多くて、仕事を任せることで人材育成につながることを、支配人本人にも上層部にも理解してもらい、そこを切り離す提案をするのも、私たち外部コンサルタントの役目だと思います。

とはいえ現場の人手不足は否めず、具体的には、客室からの電話が頻繁だったり、駐車場のご案内で出ずっぱり、と走り回っているスタッフたちに仕事を振れない上司も多い。で、結果自分が抱え込む。そういうケースには、問い合わせや案内の手間を減らす工夫だとか、予約確認の頻度や方法を改善する方法だとか、まずは「時間を作る」ご提案をします。

 

-時間は作るもの。「時間がない」って、自分でもできるだけ言わない努力はしていますが、ついつい口にしてしまう言い訳台詞ではあります(反省)。

 

やや手厳しいかもしれませんが、「時間がない」という方には「タバコを吸いますか?」とお聞きします。喫煙所まで行って、タバコ1本吸って戻ってくるのに10分掛かるとして、1日3回なら30分。休憩時間外に行っているなら、タバコを吸わなければ30分の時間ができるわけで。非喫煙者と比べて30分、余分に休憩していると言えなくもない。

 

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確かに手厳しい(苦笑)。ストレスが多いせいか、意外に喫煙率の高い宿泊業界。ES向上で喫煙率も下がるかもしれません。

 従業員満足度とスタッフ教育は比例関係にある。

言うは易し、行うは難し…なことかと思います。それでも、こういった事例を知っていただくことで、何かを変える一歩になればと思います。

 

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